2025.10.23
外壁塗装のタイミングはいつ?築年数別のメンテナンス方法を合わせて解説

建物の美観と資産価値を保つ:外壁塗装の最適な時期と劣化症状別のメンテナンス戦略
建物の外壁は、太陽の紫外線や風雨、気温の変化といった過酷な外部環境に日々晒されています。これにより、時間の経過とともに避けられない劣化が進行し、定期的なメンテナンスが不可欠となります。しかし、「雨漏りや大きなひび割れがない限り、いつが最適なタイミングなのか分からない…」と悩む個人のお客様や、適切なメンテナンスサイクルに頭を悩ませる法人ご担当者様も少なくないでしょう。
本コラムでは、外壁塗装が必要になる時期の目安、築年数や外壁材の種類に応じた具体的な劣化症状、そしてそれらに対する最適なメンテナンス方法を詳しく解説します。大切なマイホームを長く美しく保つため、また企業の重要な資産である建物の価値を維持・向上させるために、ぜひ本記事をご参考ください。
外壁塗装の目安は「約10年」:建物の寿命と資産価値を守る
一般的に、新築の外壁塗装には耐用年数7~15年の塗料が使用されることが多いため、外壁の塗装メンテナンスは築10年が目安とされています。この耐用年数を超えてしまうと、塗料の保護機能が低下し、外壁の美観や防水性、さらには建物の構造自体が損なわれる原因となります。
ただし、実際に最適なメンテナンスタイミングは、使用されている塗料や外壁材の種類、さらには建物の立地や周辺環境によって大きく異なります。そのため、それぞれの状況に合わせて細かくチェックし、適切な時期を見極めることが重要です。
塗料種類別のメンテナンス時期:特性を理解した計画を
外壁塗装に使用される塗料には、それぞれ異なる特性と耐久性があります。これらの特性を理解し、適切なメンテナンス時期を考慮に入れることが、長期的なコスト削減と建物の保護に繋がります。ご自宅や建物の塗料の種類は、新築時の図面に記載されていることが多いですが、不明な場合は専門の塗装業者に調査を依頼することをおすすめします。
| 塗料種類 | メンテナンス時期の目安 | 
| アクリル | 5~7年 | 
| ウレタン | 8~10年 | 
| シリコン | 10~15年 | 
| フッ素 | 15~20年 | 
| 無機 | 18~22年 | 
外壁材種類別のメンテナンス時期:素材に合わせたアプローチが重要
外壁材の種類によっても、メンテナンスのタイミングは異なります。多くの外壁材は7~15年程度の耐用年数が設定されていますが、建物の周辺環境や日当たり、風当たりなどによって劣化の進行具合は変わるため、大体10年ごとの点検をおすすめします。
| 外壁材種類 | メンテナンス時期の目安 | 
| 窯業系サイディング | 7~8年 | 
| 金属系サイディング | 10~15年 | 
| モルタル | 8~10年 | 
| ALC | 10~15年 | 
| タイル | 40年以上(目地は定期点検) | 
特に、一昔前に主流だったサイディング材の中には、塗装メンテナンスが難しい素材もあります。一般的な塗料では剥離する可能性が高く、下地材の選定にも慎重な判断が求められます。外壁材の特性に合わせた塗料の選定は、必ず実績豊富な塗装業者に相談した上で検討を進めるようにしましょう。
【築年数別】外壁の劣化症状と適切なメンテナンス方法:早期発見と対策が鍵
建物の劣化症状は、築年数に応じて特徴的なものが見られます。早期に劣化の兆候を発見し、適切なメンテナンスを行うことで、大規模な修繕を未然に防ぎ、コストを抑えることができます。
築5年:美観の初期変化と軽微な汚れ
築5年以内の建物では、外壁に大きな構造的な劣化は見られないことが多いです。しかし、塗料の色あせや変色、あるいはコケ・カビ・藻の発生が見られることがあります。
- メンテナンス方法: この時期は、定期的な外壁洗浄を行うことで、汚れやコケ・カビの繁殖を防ぎ、美観を保つことができます。また、部分的に塗膜の色あせや軽微な変色が進んでいる箇所があれば、早めの部分補修を行うことで、将来の大規模な塗り替え費用を抑えることが可能です。
 
8年:シーリングの劣化:雨漏りリスクへの対応
築8年ごろになると、サイディングなどの外壁材の目地部分にあるシーリングが劣化し、割れや剥がれが生じることがあります。シーリングは、外壁材の接合部分を密閉して水の侵入を防ぐ重要な役割を担っているため、劣化した状態を放置すると雨漏りや内部構造材の腐食を引き起こす可能性があります。
- メンテナンス方法: この時期には、外壁塗装に加えてシーリングの打ち替え・増し打ち補修も併せて行うのがおすすめです。これにより、建物の防水性を維持し、雨漏りによる内部損傷を防ぎます。
 
10年:塗膜の剥がれ・ひび割れ:機能維持のための全面的な塗り替え
築10年を迎えると、外壁の塗膜が劣化し始め、剥がれやひび割れが生じることがあります。これは、塗料の防水性や保護機能が低下し始めているサインです。
- メンテナンス方法: このような症状が現れたら、外壁全体の塗り替えが必要です。塗装メンテナンスを行うことで、建物の美観を回復させるだけでなく、最も重要な防水性能をしっかりと維持することができます。特にひび割れが多く見られる場合は、塗料を塗る前に下地補修をしっかりと行うことが重要です。工場やマンションの場合、この時期に大規模修繕計画を具体的に検討し始めるのが理想的です。
 
20年超:外壁材本体の劣化:重ね張り・張り替えの検討
築20年を超えて一度もメンテナンスをしていないと、外壁材そのものに亀裂が入ったり、広範囲にわたって塗膜が剥がれたりするケースが増えてきます。このような状態になると、単なる塗装の補修だけでは不十分な場合もあり、より抜本的な対策が必要となります。
メンテナンス方法: 外壁材の重ね張り(カバー工法)や張り替えを検討する必要があります。重ね張りや張り替えは初期コストがかかる一方で、建物全体の寿命を大幅に延ばし、構造的な安全性を向上させることが可能です。さらに、この機会に壁の断熱工事を同時に行えば、居住空間や職場環境をさらに快適にできるでしょう。
まとめ|建物の資産価値と「メンテナンス記録」の重要性
外壁塗装の最適なタイミングは、使用されている塗料や外壁材の種類、そして築年数によって異なります。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、建物の美観と耐久性を長く保ち、大切な資産の価値を維持・向上させることができます。
特に、新築時の図面一式や、既存住宅・既存建物の「メンテナンス記録」をしっかりと残しておくことは非常に重要です。
どの時期にどのような修繕を行ったかを記録しておくことで、次回のメンテナンス時期をより正確に見極め、計画的な修繕を行うことが可能になります。
株式会社水蔵は、防水工事や外装塗装工事の専門業者として、数多くの実績とノウハウを持ちます。個人のお客様の大切なマイホームから、法人様の工場やマンション、公共施設まで、建物の状況に応じた最適なメンテナンス計画をご提案し、高品質な施工を提供します。
外壁塗装に関するご相談やお見積もりは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
							
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