COLUMN コラム

2025.11.08

防水の新時代到来!令和の防水革命:浴室防水の常識が変わる

建物の防水工事は、雨漏りを防ぎ、建物の寿命を延ばすために不可欠なメンテナンスです。しかし、「防水」と聞くと、どのような素材や工法があるのか、一般の方には少し分かりにくいかもしれません。

特に、これまで主流だった**「ウレタン防水」は、その施工のしやすさやコストパフォーマンスから広く利用されてきましたが、一方で「劣化が早く、湿気で化学分解(加水分解)を起こしやすい」**という課題も指摘されていました。

しかし、近年、防水素材の分野でまさに**「防水の新時代」とも言える革新的な技術が登場しています。今回は、この「令和の防水革命」**を象徴する新素材の登場と、それがもたらす可能性について、具体例を交えながら深掘りして解説します。

旧来のウレタン防水の課題と「加水分解」

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。ゴムのような弾力性のある防水層が特徴で、複雑な形状の場所にも施工しやすいというメリットがあります。そのため、屋上やベランダ、バルコニーなどで広く採用されてきました。

しかし、ウレタン樹脂はその特性上、**「加水分解」**という現象を起こしやすいという弱点がありました。加水分解とは、水分(湿気)と反応して化学的に分解が進む現象のことで、これによりウレタン防水層が徐々に硬化してひび割れたり、剥がれたりする原因となっていました。特に、湿度が高い環境や、常に水が溜まりやすい場所では、劣化が早まる傾向がありました。

「防水の新時代到来」!革新的な新素材の特徴

旧来のウレタン防水の課題を解決し、さらに優れた性能を持つ革新的な防水新素材が注目されています。これらの新素材は、特定の製品名ではなく、耐加水分解性や密着性を高めた高機能なウレタン系材料や、特殊な成分を配合したハイブリッド系の防水材などを指します。

これらの新素材がもたらす主な特徴は以下の通りです。

  1. 加水分解が起きにくい高い耐久性: 最大の特長は、湿気による化学分解(加水分解)への耐性が格段に向上している点です。これにより、防水層が硬くなりにくく、ひび割れや剥がれが発生しにくくなり、大幅な長寿命化が期待できます。従来のウレタン防水よりも、長期間にわたって安定した防水性能を維持できるようになりました。
  2. 多様な下地への優れた対応力: 新素材の中には、コンクリートだけでなく、金属、FRP、既存の防水層など、様々な下地に対して強力な密着性を発揮するものがあります。これにより、多様な建物の構造や既存の状態に合わせた柔軟な施工が可能となり、より確実な防水を実現します。
  3. 浴室やアスファルト部への活用が可能: 従来のウレタン防水では難しかった、あるいは推奨されなかった場所への適用も可能になっています。特に注目されるのは、浴室の防水や、アスファルト防水が施された既存の下地への適用です。

「令和の防水革命」がもたらす具体的メリット

この革新的な新素材の登場は、まさに「令和の防水革命」と呼べるものであり、建物の防水工事に新たな可能性をもたらします。

浴室防水の常識が変わる!

従来、浴室の防水はFRP防水やシート防水が主流でした。ウレタン防水も一部で使われてきましたが、特に在来工法の浴室などでは、加水分解リスクや施工の難しさから避けられることもありました。

しかし、新素材の登場により、浴室の床や壁といった常に湿潤な環境下でも、高い耐久性と密着性を発揮するウレタン系防水材の活用が可能になりました。これにより、以下のようなメリットが生まれます。

  • 複雑な形状にも対応可能: 浴槽周りや排水口など、複雑な形状の箇所にも液状の材料を塗布するため、隙間なく一体の防水層を形成できます。
  • 改修工事の選択肢が増加: 既存の浴室を解体せずに、上から防水層を形成するオーバーレイ工法なども容易になり、工事期間の短縮やコスト削減に繋がります。
  • 高い水密性で安心感: 継ぎ目のないシームレスな防水層は、水漏れのリスクを極限まで低減し、安心してお風呂を使えるようになります。

アスファルト防水からの改修もスムーズに

アスファルト防水は、非常に高い防水性能を持つ伝統的な工法ですが、経年劣化すると表面が硬くなり、ひび割れや浮きが発生することがあります。既存のアスファルト防水層を完全に撤去して新しい防水を行うと、多大な費用と時間、そして産業廃棄物が発生します。

新素材の中には、既存のアスファルト防水層の上に直接施工できるタイプもあり、これにより、撤去費用や廃棄物処理費用を大幅に削減しながら、効率的かつ高性能な防水改修が可能になります。

【Sikalastic727】

Sikalastic®-727 は、 JIS A 6021 の高伸長形の伸びと高強度形の強度を持った手塗タイプの特定化学物質を含まない建築用ウレタン塗膜防水材です。 アルカリ温水に対しても優れた耐久性を持った材料なので、汎用のウレタン塗膜防水材では適用できない様々な部位や用途に対応できます。

■アスファルト防水の代替として施工可能

Sikalastic®-727は保護コンクリート押えが可能なウレタン防水であり、塔屋や小面積屋根でのアスファルト防水の代替(露出防水、 保護防水)が可能な防水材です。

■超速硬化ウレタンスプレーの吹付が困難な高層部位への施工で同等の性能を発揮

高伸長形と高強度形のSikalastic®-727を4.8kg塗布し膜厚を確保することで高層階での露出防水に対応。

■室内防水(特に湿気や温水が問題となる場所)への施工が可能に!

保護モルタルと防水層の間に滞留した水が乾燥せず防水層に常時影響を与える環境でも、アルカリ温水に対する高い耐久性と手塗りウレタンの特性を活かした施工性をもつ、室内防水工法

Y001_Sikalastic-727.pdf

水蔵の専門性と「防水の新時代」

株式会社水蔵は、常に最新の防水技術と素材を追求し、お客様に最適なソリューションを提供しています。今回ご紹介した革新的な防水新素材も、その一つです。

旧来の課題を克服し、耐久性、密着性、適用範囲が格段に向上した新素材は、建物の防水工事に新たな常識をもたらしています。個人のお客様の大切なご自宅から、企業様の重要な施設まで、それぞれの建物に最適な防水工法を、専門知識と豊富な施工実績に基づいてご提案いたします。

「令和の防水革命」ともいえる新技術で、建物の防水性能と寿命を飛躍的に向上させませんか?アスファルト防水、超速硬化ウレタン防水の代替や浴室の防水でお悩みの方、既存のアスファルト防水の改修をご検討の方、その他あらゆる防水工事についてご相談がございましたら、ぜひ株式会社水蔵までお気軽にお問い合わせください。

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