COLUMN コラム

建物の寿命を延ばし、雨漏りから守るために不可欠な防水工事。いざ依頼しようとすると、「どのような業者を選べば良いのかわからない」と迷う方も少なくないでしょう。防水工事は専門性が高く、業者選びを誤ると、高額な費用がかかるだけでなく、不適切な施工によって早期に不具合が発生してしまうリスクもあります。

本コラムでは、皆様が知っておくと役立つ防水工事の業者選びのポイントと、具体的な事例を基に、どのようなケースでどのタイプの業者に依頼するのが最適なのかを詳しく解説します。大切な建物を確実に守るために、ぜひ参考にしてください。

防水工事業者と建築・リフォーム業者の役割

防水工事を検討する際、多くの方がまず建築業者やリフォーム業者への依頼を考えるかもしれません。しかし、これらの業者は防水工事を専門としているわけではない点が重要です。

• 建築業者やリフォーム工事業者： これらの業者が防水工事を請け負う場合、多くは防水工事を専門とする下請け会社や職人に業務を委託する形を取ります。
• そのため、中間マージンが発生し、最終的な工事費用が高くなる可能性があります。一方で、新築工事全体や、内装外装を含む大規模なリフォームなど、複数の工事を同時に行いたい場合は、建築業者やリフォーム工事業者に一括で依頼するのも一つの方法です。
• 複数の工事を一度に依頼することで、工事の調整や全体管理がしやすくなり、結果としてトータルコストが抑えられるメリットがある場合もあります。

• 防水工事専門業者： 防水工事を専門とする業者は、その名の通り防水に関する豊富な知識と技術、経験を持っています。
• 直接依頼することで、コストを抑えつつ、専門性の高い技術と知識を持った職人による高品質な施工が期待できます。特定の防水問題（雨漏り、ベランダ・屋上防水の劣化など）に特化して解決したい場合に最も適しています。

具体事例で見る：最適な防水工事の依頼先

では、具体的な事例を基に、防水工事専門業者に直接依頼するべきか、あるいは建築・リフォーム業者を介して依頼するべきかを考えてみましょう。

防水工事専門業者に直接依頼する最適な事例

事例1：分譲マンションのベランダ防水改修

あるマンションの住民が、自身のベランダの防水層の劣化に気づきました。小さな水漏れが発生し、下の階の住人に影響が出る可能性があったため、早急な修繕が必要と判断。この住民は、防水工事を専門とする業者に直接依頼することを検討しました。

依頼までの経緯

1.インターネットで、マンションの防水工事実績が豊富で評判の良い防水工事業者を検索。

2.複数の業者（3社）に見積もりを依頼し、施工方法、使用材料、費用、保証内容を比較検討。

3.最も信頼性が高く、説明が丁寧で、提示された価格も納得できる業者に決定。

4.工事内容の詳細、スケジュール、居住者への配慮について綿密に確認し、契約。

5.工事は予定通り進行し、無事完了。アフターフォロー体制や保証期間も長く、安心して住める環境が整いました。

結論： ベランダの防水という特定の専門工事において、防水工事専門業者に直接依頼したことで、コストを抑えつつ、質の高い専門的な施工を受けることができました。

マンションの場合、管理組合への報告や規約確認なども必要となるため、専門知識を持つ業者に相談できるのは大きなメリットです。

事例2：一戸建ての屋根からの雨漏り修理

一戸建て住宅のオーナーが、天井のシミから雨漏りを発見し、屋根の防水工事が必要と判断しました。まずは雨漏りの原因を正確に突き止めるため、近隣の建築業者ではなく、雨漏り診断もできる防水工事専門の業者に直接連絡しました。

依頼までの経緯

1.地元で雨漏り修理と防水工事の実績が豊富な業者をインターネットや口コミで探し、電話で問い合わせ。

2.迅速に現地調査を実施してもらい、雨漏りの原因と最適な防水工法の提案、そして見積もりを取得。

3.他の業者とも比較検討し、診断の的確さや説明の分かりやすさ、信頼性の高さを総合的に評価して最終的な業者を選定。

4.工事内容や使用する材料、保証について詳しく説明を受け、納得して契約。

5.工事は迅速かつ丁寧に行われ、雨漏り問題は完全に解消し、長期的な安心を得ることができました。

結論：雨漏りという緊急性の高い特定の防水問題に対し、防水工事専門業者に依頼することで、原因を正確に診断し、迅速かつ確実に問題を解決することができました。

建築業者やリフォーム業者を介して防水工事を依頼する最適な事例

事例3：マンションの大規模修繕工事

あるマンションの管理組合が、築20年を迎え、建物全体の老朽化が顕著になったため、大規模修繕工事を計画しました。

外壁の再塗装、共用部やエレベーターの改修、そして屋上や各住戸のベランダ防水工事など、複数の工事が同時進行で必要でした。全ての工事を一括して行うために、総合建築業者に依頼することを決定しました。

依頼までの経緯

1.住民の紹介や、インターネット検索、専門誌などを参考に、複数の実績豊富な総合建築業者に見積もりを依頼し、比較検討。

2.各業者の過去の大規模修繕工事の実績、特にマンションの実績と管理体制を詳細に確認。

3.全ての工事を一括で依頼することで、工事全体の調整・管理の効率化と、トータルコストの削減を目指し業者を選定。

4.工事のスケジュール、内容、居住者への影響を最小限に抑えるための対策、各工事間の連携について、担当者と綿密に打ち合わせ。

5.施工は計画通りに進行し、防水工事を含む全ての工程が滞りなく完了。住民への影響も最小限に抑えられ、建物の資産価値が向上しました。

結論： 複合的な工事を伴う大規模修繕において、総合建築業者に一括で依頼することで、工事全体の管理が容易になり、各工事の連携や近隣への配慮などもスムーズに行われ、効率的な工事が実現しました。

事例4：一戸建ての内外装リフォームと同時進行の防水工事

一戸建て住宅のオーナーが、家族構成の変化に合わせて内装の大規模リフォームを計画しました。同時に、築年数を考慮し、外壁の再塗装と屋根の防水工事も行うことにしました。内装と外装、そして防水工事を別々に依頼するのではなく、総合リフォーム業者に一括で依頼することを検討しました。

依頼までの経緯

1.地元の総合リフォーム業者に問い合わせし、内装リフォームと合わせて外壁・屋根の現状診断と見積もりを依頼。

2.リフォーム内容と防水工事の見積もりを総合的に比較検討し、内装と外装工事を一元管理できる業者を選択。

3.工事スケジュール、デザイン、使用材料などについて詳細な打ち合わせを実施。

4.工事は予定通りに進行し、内装リフォームと外壁・屋根の防水工事がスムーズに完了。

結論：複数の工事を同時に行う場合、総合リフォーム業者に依頼することで、工事全体の管理が一元化され、スムーズな進行が実現しました。これにより、各工事の連携ミスを防ぎ、トータルコストを抑えることができました。

防水工事業者の探し方：信頼できるプロを見つけるためのチェックポイント

1.口コミや評判をチェックする： インターネット上の口コミサイト、Googleマップのレビュー、SNSでの評判などを確認しましょう。

また、実際に工事を依頼した知人や友人からの紹介も非常に有益です。

2.施工実績を詳しく確認する： 業者のウェブサイトやパンフレットで、過去の施工実績を必ず確認しましょう。

特に、ご自身の建物と同じ種類の防水工事（例：屋上、ベランダ、外壁シーリングなど）の実績が豊富かを重視してください。施工写真や事例を細かく見て、その品質や技術力を評価することができます。

3.複数社から見積もりを比較検討する： 最低でも3社以上から見積もりを取ることが大切です。

同じ内容の工事でも業者によって価格が異なるため、比較することで適正価格を把握できます。

見積書の内訳が明確か、使用材料が具体的に記載されているかなども確認しましょう。

4.保証内容とアフターフォロー体制を確認する： 防水工事は、施工後の長期間にわたる耐久性が求められます。

工事保証の期間、保証の範囲、そして工事後の定期点検やトラブル時の対応など、アフターフォローが充実している業者を選びましょう。書面での保証書が発行されるかどうかも重要です。

5.契約前の打ち合わせを重視する： 業者との打ち合わせでは、ご自身の要望や疑問点を遠慮なく伝え、質問に対する回答が明確で丁寧かを確認しましょう。

専門用語ばかりでなく、分かりやすい言葉で説明してくれるか、こちらの不安に寄り添ってくれるかなど、担当者の対応姿勢は信頼性を測る重要なポイントです。

まとめ：最適な業者選びで、建物を確実に守る

防水工事を依頼する際は、単に費用だけで判断せず、専門業者に直接依頼するメリットと、建築・リフォーム業者を介して依頼するメリットを理解し、ご自身の建物の状況や工事のニーズに合った最適な業者を選択することが重要です。

特定の防水問題の解決やコストを重視するなら防水工事専門業者を、複数の工事を一括で管理したいなら総合建築業者やリフォーム業者を選ぶのが良いでしょう。いずれの場合も、業者の選び方には慎重を期し、今回ご紹介したチェックポイントを参考に、信頼性の高い業者を選ぶことが大切です。

適切な業者選びによって、安心して防水工事を依頼し、大切な建物を雨漏りから守り、快適で安全な環境を維持していきましょう。愛知県で防水工事をご検討の際は、ぜひ株式会社水蔵までお気軽にご相談ください。