COLUMN コラム

2024.01.11

環境へ配慮した防水工事とは?

環境への影響を最小限に抑える方法を解説!

 日本では、梅雨や台風、また夏の猛暑など気候の移り変わりがあるため、建物にとって厳しい試練が訪れます。これらの気候条件下で、建物を守るためには質の高い防水工事が不可欠です。しかし、伝統的な防水工事はしばしば環境負荷が大きいという問題がありました。

 現代社会では、環境問題への関心が急速に高まっています。このため、建築業界もまた、環境に配慮した持続可能な方法へと進化を求められています。ここでは、そんな環境に配慮した防水工事のアプローチに焦点を当ててみましょう。

環境に配慮した防水工事のメリットとは

  • 廃材の抑制
  • 工期短縮

廃材の抑制: 環境へ配慮した防水工事では、防水剤の容器のリユースやリサイクル・防水層の再利用などにより廃材の発生を抑えることができます。また既設の防水層を撤去しない工法も増えました。それらの工法を採用することで産業廃棄物の削減にも繋がります。

工期短縮: 防水材料も年々進化を遂げ、環境に配慮された材料で、2液を混合させて使用する必要があった防水剤から混合の作業が必要無い1液型の防水剤が主流になってきています。それにより硬化不良の発生を無くし防水品質の均一化をすると共に施工期間を短縮することができます。

環境へ配慮した防水工事の種類にはどんなものがある?

 環境に配慮した防水工事には、様々な種類があります。これらの工法は、環境への影響を最小限に抑えつつ、建物を水漏れや湿気から守ることを目的としています。以下にいくつかの主要な種類を紹介します。

緑化屋根(グリーンルーフ)システム

・植物や土を屋根に設置することで、雨水を自然に吸収し、建物内部への水の侵入を防ぎます。

・熱の吸収を減少させ、エネルギー効率を向上させます。

・都市部のヒートアイランド現象を緩和する効果もあります。

再生可能な材料を使用した防水システム

・リサイクル可能な素材、例えば、リサイクルされたゴムやプラスチックを使用した防水シートや膜を使います。

・これらの材料は環境への負荷が少なく、廃棄時にも環境に優しいです。

水性・低VOC(揮発性有機化合物)防水材料

・有害な溶剤を使用しない水性の防水塗料や、低VOCの材料を使用します。

・室内の空気質に悪影響を与えないため、特に屋内の防水工事に適しています。

太陽光パネル統合防水システム

・屋根に太陽光パネルを組み込んで、防水層の保護の機能と太陽光発電を兼ね備えます。

・エネルギー効率の向上と環境保護の両方を目指します。

断熱材を使用した防水工法

屋根と防水層の間に断熱材を敷き込み、直射日光による階下への熱伝導を抑えます。古い陸屋根の建物では防水層に断熱処理がされておらず、エアコンを使用していない真夏の最上階はサウナ状態です。断熱材を併用した工法を採用することによりエアコンの効きも良くなり電力使用量の削減にも繋がります。

環境への負荷を減らすための取り組み

環境へ配慮した防水工事を実施するためには、以下のような取り組みが必要です。

1. 無害な材料を使用する

 従来の防水材料には、有害物質が含まれているものがあります。そのため、環境へ配慮した防水工事を行うためには、無害な材料を使用することが求められます。例えば、特定化学物質無配合のウレタン塗膜防水材を使用することで、環境や人体への負荷を減らすことができます。

2. 施工時の騒音や振動を抑える

 防水工事は、施工時に騒音や振動を発生させることがあるため、周辺住民への配慮が必要です。例えば、施工時間帯を制限することや、騒音・振動を抑える施工方法を採用することで、環境への負荷を減らすことができます。

3. 廃棄物の処理方法を考慮する

 防水工事に伴って発生する廃棄物は多量になります。そのため、廃棄物の処理方法も考慮する必要があります。例えば、リサイクル可能な廃棄物は分別して回収し、適切な処理方法を選択することで、環境への負荷を減らすことができます。

まとめ

 環境への影響を最小限に抑える方法に関する研究は様々な分野で行われています。防水工事の領域では、推進工事という技術が導入されています。これは、工事区間の両端に発進立坑と到達立坑を設置することで、都市環境への影響を最小限にとどめるものです。一方、再生可能エネルギーの使用や省エネ家電の利用、節電策なども、地球温暖化ガスの排出削減や自然破壊の抑制に役立っています。さらに、環境負荷を低く抑える新しい解体工法も開発・実用化され、これを使うことで環境に優しい解体が可能となっています。個人としては、有機溶剤中のVOCの排出を減少させる行動が求められています。

 環境を考慮した防水工事には、廃材の抑制、工期の短縮、施工時の漏水リスクの低減などのメリットがあります。環境への配慮を具体化した防水工事の種類として、ウレタン塗膜防水工法や水性塗膜工法、合成ゴムや塩ビシート防水工法、そして断熱改修工法などが挙げられます。 環境へ配慮した防水工事を実施するには、特定の取り組みが必要です。まず、無害な材料の使用が推奨されており、特定化学物質を含まないウレタン塗膜防水材などはその一例です。次に、施工時の騒音や振動を低減させる施工方法の選択や施工時間の制限などの配慮が必要です。さらに、発生する廃棄物の適切な処理やリサイクルも大切な取り組みとなっています。

防水工事のご相談やお問い合わせは下記より受付けています。

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