2024.02.14
冬の防水工事はNG?良くある誤解とは
防水工事は一般的に冬は向いていないと言われています。結論からお伝えすると「冬だから」と工事を避ける必要はなく、職人次第であり、寒い時期だからこそのメリットもあります。
今回は、なぜ防水工事は冬に向いていないと言われるのか?本当に、冬は防水工事向いていないのか?職人次第とは一体どういうことなのか?を解説します。
防水工事が冬に向いていないと言われる理由
気温の低い冬には、シートが固くなったり塗料の効果が遅くなってしまい本来の性能が発揮できなくなったり仕上がりが悪くなる場合があります。ただ、防水塗料を適切な温度で管理していても、全部の問題が解決するわけではありません。多くの防水塗料は気温が5度以下になると硬化が遅くなって、低い温度が続く冬では仕上がりが悪くなる可能性が考えられます。
しかし、最近は防水塗料の質が向上していたり、特殊な材料を使用したりすることで、問題を減らす努力がされています。
ただ、質が向上しているとはいえ、問題が完全に解決する訳でもなく、工事に追加の費用がかかることもあります。
それに、雪が積もると屋上などの防水工事ができなくなることも考えておかないといけません。防水塗料が想定の時間で硬化せず工期が延びてしまう事があります。
このようなことから、防水工事は冬に向いていないといわれてしまいます。
どの季節が防水工事に適しているのか
では、どの季節が防水工事に向いているのでしょうか。
3月から5月の春は、雨も少なくて気候が穏やかなため、施工が進めやすい時期です。ただし、春一番などの強風が吹くと工事が中止になる可能性もあります。
6月から8月の夏は、梅雨入りしゲリラ豪雨が頻発するため、施工が難しい時期です。施工中に急な雨が降ると、水分が残ってしまい膨れや変色が起こる可能性があります。施工中の漏水のリスクも高まります。また、一部の地域では熱すぎて施工が難しいこともあります。
9月から11月の秋は、天候が安定しているため施工が進めやすいですが、台風の影響で急にできなくなることも考えられます。台風が直撃しなくても強風が原因で工期に影響を与えることもあります。
12月から2月の冬は、硬化に時間がかかり、凍結・結露のリスクがあるため、施工が難しい時期です。特に、シート防水の場合はシートが収縮しやすくシワが出やすいため、冬場の施工は避ける傾向はあります。
ですがこれも職人の技術によるので事前に業者に相談してみてください。。
このように、どの季節にもメリットデメリットが存在し、どの季節が向いているかは一概には言えず、また季節以外の条件も加味しなくてはなりません。
つまり、防水工事は季節そのものよりも、その季節、そして環境に適した防水工事を提案してくれる、経験が豊富で技術のある職人を選ぶことが大切です。
冬は防水工事は出来ないの?
では冬に防水工事をすることが出来ないのかというと、結論としては冬でも工事が可能です。比較的天候の安定している春や秋が人気ではありますが、工事そのものは冬でも可能です。
季節や環境を見て、職人が、施工が天候気候を見極めて工期を工夫したり、冬でも防水工事が出来るような塗料を使用したり、工事方法を変更したりと、職人の経験値と技術でカバー可能です。
前述したように、単純に季節のみで検討をするのではなく、工事場所の条件全体を考慮して施工してくれる業者や職人を選ぶことがカギとなります。
また、冬に防水工事を行うメリットもあります。
例えば、予約が取りやすく腕のいい職人に工事をしてもらえるというメリットがあります。春や秋は防水工事の人気シーズンなため予約が取りづらい場合や、何カ月も待たされるという場合が多いですが、あまり人気のない寒い季節は予約が取りやすく、人気の職人に依頼がしやすいということもあります。
また、工法によりますが、寒い時期は空気が乾燥しているため、工事後の乾燥が早まることもあります。それ以外には、他の季節よりも工事中の過ごしにくさが軽減されるというメリットもあります。冬は窓の開閉が少なくなるため、防水塗料の匂いも気になりません。
このようにメリットもいくつか存在しますし、一概に寒い時期が工事に向かないとは言えない理由となります。
まとめ
一般的に冬は防水工事に適していないとされていますが、これは一概いえず、それぞれの季節にメリットとデメリットがあります。
冬の低温は塗料の性能に影響を与えるものの、最新の技術や特殊な材料の使用により、これらの問題を克服できる場合があります。
また、冬季は予約が取りやすい、優秀な職人に施工を依頼できる可能性が高まるなどの、独自のメリットも存在します。
このため、防水工事は季節よりも、適切な職人の技術と経験がより重要であり、さらに、季節と環境を加味して「提案」をしてくれる職人だと安心してお任せできるでしょう。
冬でも適切な対応ができれば、工事は実行可能で、一般的な季節的な制限に縛られる必要はないと言えます。