COLUMN コラム

　外壁塗装における塗装工事は冬に施工するのは向いていない、ということを聞いたことはありますか？塗装工事を検討する方は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。今回は、なぜ塗装工事は冬に向いていないといわれているのか、本当に冬は向かないのか？ご紹介いたします。

冬に向いていないと言われる理由

　冬に塗装工事は向いてないと耳にした方もいらっしゃるかもしれません。しかし、全く出来ないというわけではありません。冬に施工をするメリットもありますが、塗装工事が冬に向いていないとされる理由もいくつかあります。まずは、なぜ向いていないと言われるか解説いたします。

　まずひとつ目、寒冷な気温。これが塗料や材料、シーリング材に悪影響を及ぼす可能性があります。寒さのために凍結してしまうと、材料がダメージを受けたり、変質してしまったりすることが心配されます。

　ふたつ目に、日照時間が短い季節は乾燥時間が長くなること。塗料や接着剤がすんなり乾かないと、作業が遅れたり、効率が下がったりすることもあります。

　そして最後に、作業者の方々の作業環境。冬の寒い風にさらされたり、手がかじかんでしまったり。そんな中で正確な作業を続けるのは、大変な側面もあります。

塗装工事は冬に向いていないのか？

　では塗装工事をする上で、実際冬は向いていないのかどうか？を解説いたします。冬の塗装工事に関して、以下のような質問を受けることがあります。

　● 夏は職人さんが大変だから冬がいいですよね？

　● 冬は乾きにくいから夏がいいですよね？

　● 気温が低下している時期だと塗料が凍結する不具合があるから春がいいですよね？

　● 気温低下や気温上昇による色むらが発生するから秋がいいですよね？

　結論からお伝えすると、それぞれの季節にメリットとデメリットはあります。ですので、からなずしも寒い季節だけが向いていない。とは言えないのです。

一つずつ解説します。

夏は職人さんが大変だから冬がいい？

　春や秋などは工事が混み合う時ではあります。ですので、夏か冬だったら？と言ったご質問に関して、基本的にどちらもあまり変わりはありません。

　夏は高温で日照時間が長いため、塗料が急速に乾燥しすぎてしまい、均一な仕上がりが難しくなります。そして、冬は夏に比べると乾きが遅くなりますが、施工できないという意味ではありません。

　そう言った意味で、春や秋は気温や湿度が穏やかなため外壁塗装の最適な時期といわれていますが、どんな季節でも職人の経験値や技術でカバーが出来ます。

冬は乾きにくいから夏がいい？

　こちらも上に同じく、外壁塗装において一概に夏が良いか冬が良いかということはありません。季節によってそれぞれの課題が存在して、作業を行うのに適した条件で施工する必要があります。

　しかし、夏は気温が高く日照時間が長いため、塗料が速く乾燥しやすくなります。

　速く乾燥するということは、作業スピードが早くなるメリットがありますが、急速な乾燥により均一な仕上がりを保つことが難しくなる場合もあります。

　そして、冬は気温が低く塗料の乾燥が遅くなるイメージがあるかもしれませんが、夏とは別の理由で、空気が乾燥しているため乾きやすい、というメリットもあります。

　ただし、気温が下がりすぎると凍結やくすみのリスクもあるため、気象条件や温度によっては作業が制限される課題があります。しかし、いずれにせよ職人の経験値と技術でカバーが出来る課題といえます。

気温が低下している時期だと塗料が凍結する不具合があるから春がいい

　たしかに冬は低温によって塗料などへの不具合が出る可能性がありますが、工期と塗料、工法によってカバーができます。冬でも施工可能な方法や塗料を用い、経験値とたしかな技術を持った職人が冬の外壁塗装を可能にします。

　また、春は期の変わり目とあって職人が忙しい時期でもありますので、冬の方が腕の良い職人を手配しやすいというメリットもあります。

気温低下や気温上昇による色むらが発生するから秋がいい

　気温の変化が塗料に与える影響はありますが、必ずしも秋が良いといえるわけではありません。確かに一般的には、秋や春が、外壁工事をするのに良いといわれていますが、気温が5度以上で湿度80％未満という条件であれば塗装に適しているといえます。

　最近では塗料の性能が格段に向上しているため、5度以上であれば使用できる冬用の塗料が開発されています。冬用の塗料は、低温環境下でも適切な硬化が行われるように設計されており、冬場での外壁塗装が可能となります。

　また秋は台風の可能性もあり、工期スケジュールが立てにくい季節でもあります。

季節ではなく提案力を見る

　結論としては、それぞれの季節にメリットとデメリットがあり、さらには、工法によっての向き不向きも発生します。そして、冬だから向いていないという事もなく職人次第ということになります。
　つまり、季節や環境＋お客様のご要望に応じた施工方法、塗料などの「提案力」が有るのか、ということが塗装業者を選ぶ場合には重要ということになります。

まとめ

　外壁塗装は季節によってメリットとデメリットがあります。冬は凍結のリスクがありますが、冬用塗料や技術で対応可能です。夏は高温・高湿度で乾燥が早すぎることが課題です。春と秋は気温や湿度が穏やかで、最適な時期とされていますが、梅雨や台風などの影響でスケジュールに影響が出やすい季節と言えます。

　各季節に応じた工法や塗料の選択、職人の技術でカバーできます。重要なのは、季節や環境に合わせた施工方法と提案力を持つ塗装業者を選ぶことです。